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シベリア出兵100年 |
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③ ブラゴベシェンスク | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ブラゴベシェンスクク駅は、到着1時間ほど前にシベリア鉄道本線ベロゴルスク駅から分かれた支線の終点です。 ベロゴルスク駅では、45分停車が定番で、のんびりしています。 下車すると、ちょうど日の出でした。気温は、マイナス29度です。超寒い、マイナス29度は初体験です。現地の過去の気温を調べると、最低気温はマイナス45.4度、最高気温37.7度で、寒暖差の激しいところです。 ベラゴベシェンスク市は、アムール州の州都で人口22万人です。国境のアムール川に接し、対岸は中国黒龍江省の黒河(ヘイホー)です。泊まったホテルは岸辺で、黒河がよく見えました。 9時過ぎ、車で目的地のイワノフカ村を目指しました。ブラゴベシェンスクの東方です。間もなくしてアムール川の支流ゼヤ川を渡りました。 アムール川にゼヤ川が合流する、Y字の三角地帯がブラゴベシェンスクです。 10時前、イワノフカ村の郷土歴史博物館に着きました。 ここまでの行程は、ほぼ直線的に42㎞で45分かかりました。思ったより幹線道路の整備が良く、快適でした。 博物間に展示した、2人で使う大型手引きノコギリは、シベリア抑留者が使ったものと同類だろうと思いました。 その後、郷土歴史博物館長の案内で、日本軍のシベリア干渉出兵士に虐殺された2か所と、日ロ共同慰霊碑などを訪ねました。 虐殺されたのは、1918年3月22日です。民家400戸以上が焼かれ、村民300人以上が殺害されたといわれます。 訪ねた1か所は、36人が生きながら焼殺した場所です。2か所目は、257人が銃殺された林の中でした。 それぞれに日本兵に殺された年月日と、人数を刻んだ 慰霊塔が建っていました。 日本軍が虐殺した理由は、ロシアの新政権を支持するパルチザン軍を、村民がかくまっているということと、他で日本軍が攻撃されて損害を受けた報復でした。 いずれにしても、他国に干渉して出兵することは間違いの元で、侵略戦争です。 侵略戦争は、優位に戦争したことを鼓舞しますが、不利なことは隠します。虐殺したことなどは、なおさら隠します。 告発されば、なかったことにします。南京事件や慰安婦強制連行問題が、その例でしょう。 イワノフカ村の日本軍による虐殺が、日本国民に明らかになったのは1990年代です。シベリア抑留者で亡くなった人たちを、帰還者が現地調査する過程で、村民から知らされたのです。 その後、イワノフカ村で虐殺された方々と、その地域で亡くなった抑留者を弔う、日ロ共同の慰霊「哀悼の碑」塔を建立するまでに、関係両国民の友好と反戦の誓いがすすんでいます。「哀悼の碑」塔は、村の公園の中央ロータリー部に建ててありました。 なお、岐阜県の「ロシアとの友好・親善をすすめる会」は、1997年からイワノフカ「日ロ共同追悼碑」参拝と交流の旅を毎年続けています。 それらの事実を、私は2014年の岐阜県平和行進のとき知りました。それが、今回の旅の動機です。 ブラゴベシェンスク市と中国の黒河市(人口173万人)の人たちは、ビザなしで50日間相互に滞在でき、関税もないそうです。アムールの川幅は750mです。橋はなく、船運で往来します。現在、橋を建設中でした。 冬場は、川が氷結しますので、徒歩や車で渡れそうですが、現場を見ることは出来ませんでした。 川岸から対岸の黒河市を見ると、ビル群や観覧車も見えました。こちら側には、凱旋門や旧商社の建物などが並んでいます。古くから、水運を利用した人的交流や交易の中心地だったことが分かります。現在、黒河市からは、南の哈爾浜(ハルビン)などへ鉄道や国道、航空路で通じています。 国境警備は厳しいようで、所々に見張り所がありました。夜の9時以降は、川に近づかないようガイドさんからいわれました。 アムール州の北部には、現在もアイヌ系の住民が1万人あまり住んでいるそうです。昔は、北海道や東北と交流・交易があったのかも知れません。 また、現在はブラゴベシェンスクの北部ゼヤ川の上流の西側に、ロシアのロケット宇宙発射基地ヴォストチヌィ発射場があります。カザフスタンのバイコヌール発射場にかわる、有人ロケット打ち上げも予定しているので、この近辺は注目が集まると思います。 |
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