南極マラソン

南極マラソンを走る(2001年)

竹田 昭彦
南極マラソンを走る=2001/2/7
第4回南極マラソン完走=2001/2/7
 「地球最後のマラソン」と銘打った、南極でのフルマラソン大会がある。これにチャレンジした。
 南極に向かう最後の出発地は、世界最南端の都市、アルゼンチンのウシュアイアである。
 2001年1月31日の夕方、ウシュアイア港をロシアの客船(4500t)で出航、11日間の船旅となる。
 南半球は夏だが、南極に近いウシュアイアは、まわりの山々に万年雪が連なり、出港と共に全貌が見渡せ、美しい。
 南極まで1000㎞、2昼夜かかる。
 この間には、世界一荒れるドレーク海峡がある。船は、前後左右にゆっくり揺れ、立ち続けたり、読書などに集中すると、頭が痛い。
 「船酔いと酒酔い」の二つは無いとの、日本から同行の富山のS氏の説を信じ、食って、飲んで、寝て、過ごす。流氷が見え始めたり、クジラが見えてくると、御一行のランナー達(14か国133名)は、操舵室や甲板に行き歓声を上げ、カメラやビデオのシャッターを切る。
 2月2日の夕方、南極に到着。
 マラソン大会予定地であるキングジョージ島(南緯62度)へ、上陸を試みるが(10人乗りのエンジン付ゴムボートに分散して上陸する方法)、波が高く、風が強い為、上陸はだめだった。他の島の上陸可能な場所で、ペンギンやアザラシを観察しながら、波の静まりを見ながら3日から6日まで、キングジョージ島に4回アタックするが、上陸不可能に終わる。上陸できても、マラソン大会終了後に、全員が船に戻れる保証が無いと言う。
 船は南上し、7日、 南極大陸のアンドボード湾ネコ港に投錨(南緯65)。
 そこで、世界初の南極洋上フルマラソン大会を完走した。
 ここでは、流氷の間をボートでクジラやアザラシのウオッチングをした。
 また、氷河の解けた部分に上陸し、ペンギンの観察や、海岸に切り立った数10mの氷河が、ゴー音を響かせて海面に崩れ落ちる様を何回も見れた。風は無く、陽射が強かったので、シャツ1枚でも、暖かかった。
 南極に先立ち、2000年の7月に、ノルウェーのトロムソ(北緯70度)で、白夜(スタート夜8時半)の北極フルマラソン大会を完走しているから、これで、北極と南極のフルマラソン大会を走った事になる。
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