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北極マラソンを走る=2000/7/1 |
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陸地が無い北極で、極点の氷上市民マラソン大会は無理です。
北極マラソンと呼ばれるのは、ノルウェイの北端都市のトロムソで、夜間を走る「ミッドナイトサンマラソン」です。
トロムソ市は、地球最北端の都市と呼ばれ、アラスカのアンカレジや、ロシアのムルマンスクより北にあります(北緯70度)。
私が走ったのは、2000年7月1日の第11回ミットナイトサンマラソン大会です。コースは、市の中心部のトロムソ島の港前広場をスタートし、海峡に架かる1000m余のトロムソ橋を渡って本土へ行き、海岸線を10㎞ほど走ってトロムソ島へ戻ります。そして、トロムソ空港の方へ10㎞ほど走って折返し、スタート地点がゴールです。スタートは、夜の8時30分です。3時間30分以上かかるランナーは、翌日のゴールです
夜中のマラソン大会と言っても、終日が「昼・昼」の白夜です。 ランナー達は、地平線上の太陽に照らされ、頭身の何倍にも延びた影と、終始一緒でした。自分の足のが長く映り、巨人が走っている気分になります。
全体的に平坦なコースで、アップダウンは、トロムソ橋の高さ40mだけです。郊外の人家のある地域では、住民が庭の椅子に腰掛け、太陽の光を浴びながら、現地語で「がんばれ」を意味する「ハイョー」「ハイョー」の声援をもらいました。それに応え、手を振ったり、写真を一緒に撮ったりすると大きな声援をもらいました。「ハイョー」は、日本のハヤシ言葉に似ており、親しみを感じました。まわりの丘や山を見ると、数100m以上の所に雪が散在していました。曇って風が出ると、相当寒くなると思います。悪化した時は、気温が急に下がり、マラソンも「天国と地獄」の差になるそうです。
ゴールのタイムは、4時間42分56秒でした。
北欧の夏は、日光浴の季節です。土曜の夜は遅くまで起きているそうです。トロムソの日曜日の路線バスは、始発が昼過ぎだと聞きました。
トロムソで有名なのは、北極探検家アムンゼンとの関わりです。北極博物館を見学すると、アムンゼンが北極探検した当時の遺品が沢山展示してありました。売店には、男性の局部を覆う筒状毛皮もあり、ビックリと納得です。また、トロムソの有名な建物や特産物は、全て世界最北端の冠が付きます。最北端のトロムソ大学、最北端の○○教会、最北端の○○ビールなどと呼ばれます。直ぐ「観光資源」になりそうです。冬は、オーロラ観察の観光客が大勢来るそうです。マラソン大会は、夏の白夜の時期で、オーロラが見られず残念でした。しかし、北端の冬は大変厳しく、終日「夜・夜」の闇夜です。その厳しい環境のため、アルコール依存症が後をただず、大きな社会問題になっていました。お酒の話しになりますが、日本に初めてビール作りを伝えたのは、ノルウェー人で、横浜が発祥地です。 |