竹田昭彦・日誌(番外編 3 )    
平和行進 中央実行委員会
都道府県代表者会議

都道府県代表者会議に出席した全国通し行進者。左から四国→広島コースの五十嵐成臣さん、北海道→東京(太平洋)コースの山内金久さん、北海道→東京(内陸)コースの栖原秀夫さん、北海道→東京(日本海)コース山口逸郎さん、富山→広島コースの米山幸子さん、宮崎→広島コースの西田重好さん、沖縄→広島コースの竹田昭彦=2018/11/24、東京都文京区・平労会館
宣伝カーの窓から拳をふり上げ、かん高い声で「シュプレヒ・コール」の音頭を取るアナウンサー=2010/07/21、埼玉県上尾市
かん高い「シュプレヒ・コール」に子どもが両手で耳を塞ぐ(中央)=2015/07/22、東京都杉並区
初めての「イイネ!・コール」(リハーサル)
=2018/07/11、福岡県久留米市・両替公園
親指を突き上げて 「イイネ!・コール」 =2018/06/04、沖縄県名護市
「国際青年リレー行進」のタスキを掛けた青年が先頭を行く=2018/06/25、鹿児島県出水市
タスキを掛けた小学5年生が終日歩く
=2018/07/24、山口県長門市
タスキにサインする青年
=2018/07/04、熊本県山鹿市
タスキを引き継ぐ =2018/07/09、福岡県筑後市
タスキを掛けた子ども達を先頭に、広島の平和大通りを行く。ゴールは、もう直ぐだ!=2018/08/04、広島市西区
 11月24日、東京で平和行進中央実行委員会の都道府県代表者会議が開かれました。
 これは、平和行進60周年の年にあたり、特別に開いた会議です。
 全国通し行進者も出席し、中間的な総括と今後の行進の改善に向けて、多彩な意見交換がありました。
 特徴的なことは、国連での核兵器禁止条約の採択、朝鮮半島の南北会談、米朝会談など、核兵器禁止の動きが大きな変化が生まれている中で、日本政府が禁止条約に反対していることをふまえ、日本政府が批准をするように、国民の声を広げ取り組みをする意見が多かったことです。
 そして、青年の行進参加を意識的に強化すること、国民に賛同される行進の改善策が話されたことです。

 私は、先日(10月8日)の神奈川県原水協の「新しいみんなの平和行進を考える集い」に提出した報告文書(takeda-a.net/18-10-08)を元に、次のような報告書(ここに掲載した写真の上から1枚目以降を添付)を配布しました。

1 行進中のシュプレヒコール・コールからピース・コー
  ルへの発展について
(1) かん高いシュプレヒ・コールに耳を塞がれる

 2002年 「北海道→東京(内陸)コース」(全国通し行進2回目)のとき、大都市などで行うシュプレヒ・コールの命令調で、語尾のかん高い訴えに、沿道の子どもや大人から耳を手で塞がれるのを見て、「うるさい」と思いました。
 その後も、同じような光景を何度もみました。
 例えば、スピーカーの音声で、家から出てきた人が、かん高い命令調の音にふれ、直ぐ戻ってしまうとか、子どもが緊張した顔や動作をすることです。

(2) ニューヨークの平和行進で感銘を受ける
 2005年5月 国連のNPT(核不拡散条約)再検討会議へ向けたニューヨーク・マンハッタ ンの平和行進では、「歌あり、踊りあり」で、通行人と呼応した連帯感の楽しさを見て、大きな感銘を受け、このような方法があると知りました。

(3) 日本でも変化が
 2005年 佐賀県で全医労の看護師たちが、ニューヨークの行進に刺激され、白衣の姿でタンバリンを鳴らし、アナウンサーの指揮で歌を歌う。
 2007年 愛知県うたごえ合唱団が、携帯スピーカーで楽器の伴奏で歌とピース・コールを組み合わせる。
 岡山県倉敷市職労が、携帯スピーカーによるお国言葉で訴え、楽しさがふくらむ。
 2010年5月 NPT再検討会議のときは、日本からの参加者が「よさこい踊り」などする。

(4) ピース・コールの提言
 2012年9月 平和行進中央実行委員会事務局 (安井、佐竹の各氏)と、当年の全国通し行進者(米山、 山口、渡邉、五十嵐、竹田の各氏)が原水協本部で会合をもち、ピース・コールの提言をする。
 2013年2月 平和行進中央実行委員会総会で、総括文書に次の文言が入る。
シュプレヒコールは行進の意気を高めますが、「命令調」の語尾に力の入ったシュプレヒコールは、沿道の人たちから耳をふさがれるなど、イヤがられた体験を何回もしました。シュプレヒコールを活用する場合は、目的の検討と工夫が必要です。という意見もよせられています。

(5) ピース・コールの試案発表

 2013年5月 平和行進の夢の島出発で、「2013年 ピースコール(案)」が発表される。
 説明分より
「いいね!」コール(「いいね!のときにfacebookの親指を突き上げるポーズ」)
「今でしょう!」コール、「八重の桜 バージョン」
「お囃子で ピースコール」( 青森ねぶた祭りの「ラッセーラ~ ラッセーラ~」調の掛け声)

 * 原発ゼロ運動と呼応して「ラップ調・コール」も生まれました(2014年愛知県)。次が例文です。
   
平和行進 やってきた
   今年も この町 やってきた
   なくそう なくそう 核兵器
   あなたの署名が 世界を変える
   ノーモア ヒロシマ
   ノーモア ナガサキ

   核兵器 いらない 平和が大事
   核兵器 いらない 子どもが大事
   ノモア ヒバクシャ
   ノモア ヒバクシャ
   平和憲法 守ろうよ
   憲法9条 世界の宝

   軍事基地も いりません
   オスプレイも入りません
   原発やめても 電気は足りる
   原発やめて エコ エネルギー
   福島 返せ 自然を 返せ
   脱原発で いこまいか

(6) いいね!・コールが年々ふえる

 2018年の行進でも、初めてシュプレヒ・コールからピース・コールへ切り替える、地域が生まれている。
 写真上から4、5枚目参照

2 人口減少地域の行進について
(1)
少子化、高齢化、大都市集中などで地方市町村
   の人口減がすすんでいる

 農業、林業などの地場産業が衰退し、平成の大合併も大きな影響を与えている。
 地方都市や郡部では、繁華街も成り立たず「シャッター通り」を越えて閉店が多くなっている。
 行進者が集まらず、従来の行進が難しくなっている。
 反面、都道府県庁所在地などの大都市に人口が集中している。

(2) 対策事例
 
人口減少地の行進距離を短くし、家並みの多い地域の署名行動と組み合わせる(例 島根県)
 
合併以前の自治体を持ちまわり(旧A、B、C、・・、の市町村を持ちまわり)、何年かに1回まわってくることから、全体の連携と1か所に力を集中できる(例 北海道せたな町、山口県美祢市)。
 
多くの県で、県内通しリレー団体や、県内通し行進者の参加を呼びかけ、地本参加者の少ない地域を継いでいる。

3 若い世代へ引き継ぐ
(1) 被爆73年、被爆者も、活動家も高齢化し、活動
   家が手薄になっている

(2) 「国際青年リレー行進」のタスキを掛ける青年を
   増やして引き継ぎを重視する

 2013年から、参加者の若い人には、国際青年リレー行進のタスキを掛けてもらい、先頭のリレー横断幕を持って歩くようにすすめました。タスキを掛けると気が入り、よかったと思います。
 タスキを引き継ぐときには、タスキの裏面に、年月日、コース、名前を書いてももらい好評でした。
 タスキの本数が足りないときは、タスキを掛けない青年から、サインしたいと言われることもありました。
 お婆ちゃんからは、孫(小学生)がタスキにサインした、その部分の写真を撮り、孫の「お母さんに見せる」と言う場面もありました。

4 平和行進の資料の保存等について(意見)
(1) 平和行進60周年を契機に資料等の保存を強化する

 各地では、その地域の1回目から使用した横断幕とか、指揮者のタスキとか、グッズ等を誇りにして引き継いでいます。時がたつと、不使用になり、所在不明になったことも聞きす。それらを、寄贈して頂いたりして、中央で意識的な保存強化を願います。

(2) 国際青年リレー行進のタスキ保存
 当面、氏名等を書いてもらったタスキを、中央で保存して欲しい。タスキを掛けた青年の夢が膨らむよう、歴史が引き継がれるよう願うからです。個人的には、夢の島の第5福竜丸保存展示館内に、書庫1個置かせてもらい、保存できたらよいと思っています。
 そして、将来的には、平和行進ミュージアムの建設に寄与すると思います。

 
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