竹田昭彦・日誌(#37)・8月09日(水)    
原爆投下日
各所で黙祷を捧げる

爆心地の同心円状に手を繋いだ高校生の平和の輪=2017/8/09、長崎平和公園
「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼」早朝集会。右から橋本さん、ジェファンさん、竹田、ドクチンさん
=2017/8/09、長崎平和公園
長崎市職員が折った千羽鶴を捧げる役を託される。右からジェファンさん、ドクチンさん、佐藤さん、竹田=2017/8/09、長崎市役所
 今日は、世界大会・長崎の3日目で閉会総会です。
 ジェファンさんの日程関係で、閉会総会には参加せず、帰路へつきました。
 天気は、曇りで、時々小雨がありました。
 6時30分、平和公園の爆心地で開かれた高校生の早朝集会に参列しました。
 集会には、「高校生1万人署名活動」「ヒロシマ・ナガサキ ピースメッセンジャー」の幕を手に高校生が集まっていました。
 私たちが参加したのは、昨夜泊まった宿の近くで生まれ育ち、現在、福岡県筑紫野市在住の溝浦義則さんに誘われたからです。
 彼は、昨日、反核平和マラソンで長崎に到着したメンバーです。
 そして彼は、体内被爆者で、小学生のときにABCC(米国の原爆傷害調査委員会)から屈辱的な調査対象にされました生き証人です。
 早朝集会では、黙祷を捧げ、高校生の代表が追悼の言葉を述べました。
 そして、爆心地碑を中心に同心円状に手を繋ぎ、手を上げました。平和な未来を示しているそうです。
 その後、献花が行われ、大阪府や群馬県の高校生代表もありました。
 参加者は、女子高生が圧倒的に多く、たいへん気になりました。男子高生は、社会意識の成長が遅いのでしょうか。
 終了後、「長崎原爆朝鮮人犠牲者」追悼碑へ行き、黙祷を捧げました。丁度、早朝集会を準備しているところでした。私が係の人に、「韓国の若い人は原爆犠牲者があったことを知らないですよ」と話したら、逆に「日本人も知らないですよ」といわれました。
 そうだと、思い直しました。
 宿へ戻り朝食後、長崎市役所へ行きました。
 8時20分、市役所敷地の「長崎市職員原爆犠牲者慰霊碑」で追悼式が開かれ、田上富久市長、市労連の各単組委員長の追悼の言葉があり、参列者が菊の花を献花し黙祷を捧げました。
 ドクチンさん、ジェファンさん、佐藤さん、竹田の4人は、市職員が折った千羽鶴を捧げる役を託され、捧げました。突然ことでしたが、光栄に思いました。
 献花中は、市職員による「折り鶴」の歌の合唱で進行しました。私がこれまで何回か参加しときより、多数の参列でした。
 職組の追悼の言葉には、安倍総理が条約反対の立場で式典に参加することに、強い怒りが込められていました。
 9時40分、宿を後に車で福岡市の博多へ向かいました。
 途中の高速道路サービスエリアで、テレビを見ながら原爆爆発の11時2分、長崎の鐘に合わせ、黙祷を捧げました。
 田上富久長崎市長の怒りを抑えた政府批判の平和宣言の言葉に身が引き締まりました。そして、福島の原発事故にふれられ、「福島の原発事故から6年がたちました。長崎は放射能の脅威を経験したまちとして、福島の被災者に寄り添い、応援します」と宣言しました。凄い決意だと思います。
 今日で、2017年の平和行進日誌は終わりです。

 
おわりに
 ① 行進中に「核兵器条約採択」歓迎を表現するプラカードは、山口県で一度見ただけでした。
 各地の出発集会などでは、採択の歴史的意義や条文の解説は多いにありました。
 だが、プラカードなど作って参加する、アピールに至りませんでした。そして、団体によっては、旧態の団体名だけを大きく書いた、旧来の大きなのぼり旗のみもありました。
 今は学習中で、これから表現運動になるのかも知れません。来年の行進に、期待されます。
 参照 http://www.takeda-a.net/17-7-11.html
 各自治体訪問では、行進日程が進むにつれ、「核兵器禁止条約」に触れての挨拶や、激励をされる首長、議長や、代理の方が多くなりました。
 条約に触れられた自治体数は、広島県1、山口県7、福岡県5、佐賀県4(県庁含)、長崎県3(県庁含)でした。そして、地方自治体の議会が、「日本政府は核兵器禁止条約に賛成をせよ」と、求める主旨の意見書も上がっています(広島県廿日市市、福岡市、長崎県川棚町)。自治体の平和宣言塔や垂れ幕なども、「核兵器禁止条約」批准促進にチェンジする運動になると思います。

 ② ピース・コールの波及(普及)については、時間のかかることを実感しました。
 嶋田さんとの入念な打ち合わせと、長期間実践したことで分かりました。
 改善に着手している所でも、原稿のピース・コールの語尾に、マーク「!」を付けていりのも気になりました。それを見たアナウンサーは、語尾に力が入り、甲高い命令調に発声してしまうからです。
 そして、何よりも、その地域の実行委員会役員や参加者の中から、改善しようという気付きがないと、あるいは何か切っ掛けがないと、外野が云々思っても、難しいことです。
 切っ掛けの点では、昨年の東京の行進を思いだしました。
 参照 http://www.takeda-a.net/16-5-06.html
 
③ まとめ
 核兵器禁止条約を日本政府に批准させる戦いは、安保条約廃棄に匹敵する戦いだと思います。
 そして、「日本政府は条約に賛成を!」の運動は、被爆国の日本国民に、たいへん理解しやすいことだと思います。条約に賛成したASEAN加盟国(シンガポール棄権)などが批准すれば、米国など核保有国は、それらの国へ、艦艇の寄港や軍用機の着陸ができなくなります。合同軍事演習も、不可能になります。
 核兵器の不搭載や、核兵器戦略装備などによる威嚇のないことを、証明しなければならないからです(米国は軍事機密で核兵器の有無を言明出来ないとしています)。
 条約に反対する国々にも、条約の力が、じわじわと効いてきます。
 「日本政府は条約に賛成を!」の新たな運動を、大いに進めたいと思います。

 
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