竹田昭彦日誌(#04)5月09日(水)
〈 飛び地 北山村を行進 〉
 今日は、和歌山県でありながら、県下のどの市町村とも隣接しないで、三重県と奈良県に挟まれた全国唯一の飛び地、和歌山県東牟婁郡北山村の行進です。
 自宅を出る前、地図上で北山村を探したが、いくら探しても見当たりません。合併して村名が無くなったと思いました。
 しばらくして、ネット上で探すことを思いつき、探すと三重県の方に位置してあり、ビックリしまた。
 そんな事例を初めて知り、村の歴史が気になっていました。
北山村の奥田貢村長(左から2人目)と記念撮影
 午後3時30分、新宮駅前から「わかやま市民生協」の西田さんが運転する車で、和歌山県原水協事務局長の白井さん、竹田の3人で、三重県の紀宝町、御浜町、熊野市を通り北山村へ向かいました。
 昨年の台風12号の豪雨被害で、道路が全面的に回復しておらず、細い曲がりくねった迂回路を1時間15分かかって北山村に着きました。
 村のホームページには、97%が山林で「全国でも唯一の飛び地の村で、秘境と呼ばれる所以」と書いてありました。
 5時15分、村民会館前で出発集会が開かれ、奥田貢村長さんから激励の挨拶をいただきました。村の職員6人も参加されて、励まされました。村の人口が570人ですから、役場あげての賛同です。
 村長さんに村史を伺いますと、杉材の生産が盛んで「筏」に組み北山川(熊野川支流)と熊野川を下り、河口の新宮市へ搬出していた縁が深かったので、明治はじめの廃藩置県のときに、新宮が和歌山県に編入された際、「北山村」も一緒に和歌山県に入ったそうです。そして、村長さんは「今ならできない話しだ」と強調されました。平成大合併の号令でも、住民投票で現状自立を守ったそうです。
 現在、杉材業は衰退したが、観光「筏下り」が人気です。同行した白井さんの話では、『職場旅行での「筏下り」を予約するの2年かかった』そうです。
 また、特産品「じゃばら」ミカンは、味、香りとも、スダチ、カボス、ユズをしのぎ、調理に適すことや花粉症に効くことが広まり、需要に生産が間にわないと言われます。「じゃばら」は、「北山村」で誕生した柑橘類の新品種です。命名が「蛇腹」からきていると連想し、地元の方に確かめますと、邪気を払う「邪払」の意味だと聞き、縁起ものと分かりました。
北山村に行く途中で見た「丸山千枚田」(熊野市)
 「北山村」へ向かう途中の熊野市で、「丸山千枚田」を見ました。高低差100メートルの斜面に石垣を築き、約1300枚あるそうです。平場のない、山間に生きる米作りの執念を感じました。田植えの準備中で、水を張った稲代が光って見えます。
 この他で、規模の小さい「千枚田」をいくついか見たが、耕作を放棄してありました。「丸山千枚田」は、存続を願うボランティアに支えられています。
 行進は、村民会館を発着点に、住宅街を12人で1.2q歩きました。