竹田昭彦日誌(#63)7月12日(土)
四国の平和行進を終る
納経帳に御朱印をいただく=5月11日、第1番霊山寺
 「四国は一つ」という看板を、よく見ました。4県が、一つの島にまとまっているからでしょう。それと、何かありそうです。お遍路さんの歴史と関係があるようです。八十八ヶ所は、四国全体であり、4県の県境は、関係ありません。四国の人は、お遍路さんが通れば世話(接待)をします。お遍路さんが困っていれば、手をさしのべます。何世代も、何百年、続いてきた「四国は一つ」の風土です。
 その反映でしょうか。平和行進の「四国コース」は、他の全国幹線10コースと違った運用をしています。毎年、行進が最初に出発する県を、4県で持ち回っています。今年は徳島県の番ですが、昨年は愛媛県でした。
 また、一斉地方選や参院選の年などは、その年の持ち回り県から、行進コースが2方向に別れて出発します。すなわち、四国を右に回るAコースと、四国を左に回るBコースです。それぞれ、海沿いの隣のA県とB県へ引き継ぎます。AとBの2県が同時進行となり、四国全体の行進日程は、通常の半分で終わります。まさに「四国は一つ」、臨機応変です。
 今年は、新しい試みが徳島県実行委員会から提起されました。それは、平和行進と並行して、四国八十八ヶ所のお寺さんを訪問し、住職さんに、「非核日本宣言のよびかけ」への賛同署名等をお願いする、「平和遍路」です。初めとして、四国コースの出発式を第1番霊山寺で開き、山門を出て第2番極楽寺を通り、第3番金泉寺へと進むコースにしたのです。
第88番大窪寺の境内に灯された「原爆の灯」(右)松永始香川県原水協寺務局長、(左)筆者
 その主旨にそい、徳島県で14寺、高知県で16寺、愛媛県で10寺、香川県で7寺、合計47寺を訪問しました。そのうち、住職さんからいただいた署名は、13寺です。(この後、徳島で増えた連絡をいただきました)
 住職さんが、地域の「9条の会」の呼びかけ人になっているお寺さんもありました。行進コース沿いに、八十八ヶ所のお寺さんが多くあります。平和行進中の休憩場所を、お寺さんにご協力いただくのも、核兵器廃絶運動の力になると思います。
 昨日訪問した第88番大窪寺の「原爆の灯」は、1988年10月14日に建立されました。毎年の10月24日、香川県原水協が建立記念式典を開いています。今年は、20周年記念です。
第88番大窪寺にて
 広島の「原爆の灯」が、第1番霊山寺と第88番大窪寺にある意味は、たいへん大きいと思います。
 お遍路さんが、1番から巡っても、88番から逆に巡っても、起願寺と結願寺で、「原爆の灯」を見ることができ、「平和の心の灯」を灯せます。