竹田昭彦日誌(#26)6月05日(木)
「おとり」にされた中学生
「日本兵顔面土製品」=高松市・「平和資料館・草の家」所蔵
 今日は、越知町と仁淀町の役場訪問と両町内の行進です。
 高知市には、市民の手でつくって運営する「平和資料館・草の家」があります。平和と教育、環境問題を考える施設です。案内書には、「次の世代に戦争の実相と平和の尊さを伝えるため、資料の収集・整理につとめ、平和教材をつくり広く市民に貸し出す」と、書かれてあります。
 その草の家を、お昼の時間帯に訪問しました。資料を見て、注目したのは、「日本兵顔面土製品」です。この顔面土製品(高知市能茶山窯)は、旧日本帝国陸軍兵士の顔です。日本兵を偽装した顔面土製品を陣地へ配置し、本土決戦の錯乱戦法に使おうとしたようです。顔面土製品は、竹槍、陶器製手榴弾などと似た発想で、窮地の策です。これで、米軍機B29などの高所からの空爆に対抗できるものではなく、戦力の格差を精神力で補い、あくまでも国民の肉体を犠牲にした戦争を続ける本土決戦の実相です。
 また、草の家で聞いた話によると、学徒動員で高知の海岸線に壕を掘らせ、動員した中学生を寝泊りさせて、米軍の攻撃目標の「おとり」にしようとしたのです。中学生を、特攻隊の発想と同じようにしたのです。身震いして聞きました。
ペナントに書かれたカラーの絵・文字
 平和行進50周年記念のペナントは、各市町村の行進に続々と寄せられています。このところ、ペナントに書かれる名前が、黒い文字だけではなく、カラーの絵・文字が見えました。車に飾ると、色取りがあり、きれいです。
 高知県で、昨年から大きく取り組まれたペナント募集は、定着してきています。雨天で、宣伝カーにペナントを飾っていないと、「ペナントはないのか」と督促され、書かれる人もいます。そのような中で、絵を描く人も生まれたようです。これは、流行ると思います。
仁淀町を平和行進
 仁淀町と越知町の行進では、沿道の人から多くの励ましをいただきました。仁淀町では、行進を見ていた男性が、追いかけてきて千円を募金されました。また、年配の婦人が家から出てきて、手を振ってくれました。
 越知町でも、行進団から手を振ったり、声をかけますと、ほとんどの人が手振って応えられました。通りかかった学校のフェンスには、「日本一あいさつする町になろう」と、大書した看板が掲げてありました。行進に参加した地元の婦人は、「今は物騒な世の中で、子どもに(あいさつを)注意をするように言い、困っている」と話します。子どもたちが、大人や周りの子を信じられない世の中になってきました。困ったものです。
 今日の参加者は、各8人前後で3q歩きました。今日も地元学校の教員の方が多く参加しました。
 越知町の課長さんと、仁淀町の副町長さんから、ペナントをいただきました。