竹田昭彦日誌(23)7月10日(日)

〈神奈川県の米軍基地反対運動もり上がる〉

 日曜日は、この地域の行進がないので、私が住んでいる神奈川県の米軍基地問題を書きます。
 神奈川県は、沖縄県に次いで米軍基地が多く、17か所あります。主な基地は、米海軍第7艦隊母港の横須賀港、米海軍厚木飛行場、米陸軍キャンプ座間などです。
 神奈川県に米軍の巨大基地が集中する理由は、戦後の本土占領が神奈川からはじまった経過があります。1945年8月30日 ダグラス・マッカーサーがマニラから厚木飛行場に降りたのが第1歩です。9月2の米第3艦隊ミズリー号での降伏調印式の直後から、占領軍が横浜港から上陸し、全国規模に広げました。全体で40万人でした(12月末)。その内、横浜市だけで9万4千人の進駐軍がいました。市人口の15%です。
原爆パネル展を熱心に見るニューヨーク市民=国連本部前で5月2日

 今、米日両政府は、在日米軍再編強化の一貫として、米陸軍第1軍団司令部を米本土(ワシントン州)から、キャンプ座間へ移転しようとしています。米陸軍第1軍団は、アジア・太平洋全域、インド洋、アフリカ東海岸までを作戦範囲とする部隊で、安保で定める「極東」の範囲をはるかに超えています。
 これに反対する運動が、市民と関連市町村の首長や議会が一体となって急速に進展しています。昨年10月に開いた、県央地区8市町村(相模原市、座間市、海老名市、大和市、厚木市、津久井町、愛川町、清川村)の首長と県知事の懇談会では、「移転反対の発言が多くだされ、すべての市町村長が認識を同じくした」、移転をやめさせるには「県央地区の首長が歩調を合わせ運動すれば、より効果があがる」、と確認されました。
 今年の4月には、座間市が市長先頭に署名活動を開始し、市民の過半数の6万人を達成しました。6月には、相模原市も市長先頭に署名活動開始し、20万人(人口の1/3)目標に取組中です。
 神奈川県の米軍基地反対運動は、米海軍厚木飛行場の空母艦載機のNLP(夜間離着陸訓練)の騒音で、長年悩まされてきた大和市長が、「聞く耳を持たない」米軍に対して、「堪忍袋の緒が切れた」「米軍との友好関係を中断する」、と宣言し、その原因である航空母艦の「母港解消は市是である」(2000年)、と決断する変化も生み出し、長年の市民運動と自治体がかみ合う、新たな段階にさしかかってきました。