竹田昭彦日誌(16)7月03日(日)

〈小泉首相は靖国参拝を止めるべき〉

 日曜日は、この地域の行進がないので、日頃思っている小泉首相の靖国神社参拝問題を書きます。
 小泉首相の靖国参拝は、国際問題となっています。日本の侵略戦争の犠牲となった国の人たちは、戦犯を「英霊]として奉り、日本が起こした侵略戦争を正しかったと「美化」する靖国神社へ、日本の首相の参拝を決して許さないと思います。
南京「大虐殺記念館」に献花し憲法9条(中文)を掲げる=右から3人目が朱館長、右端竹田

 今年の3月、南京市の「大虐殺記念館」を訪問する機会がありました。記念館は、市街地の虐殺現場の犠牲者の発掘場所に建てられてあります。発掘状態のまま保存された遺骨には、名も不明な、罪のない幼い子たちが番号で表示してありました。
 南京では、30万人が日本軍に虐殺されたそうです。南京を流れる長江(揚子江)岸辺の5か所だけでも、10万人が虐殺されました。その5か所の内、上元門の現場と、船上から3か所を見ました。上元門は、前が長江で後ろが盾状になった山でした。逃げようのない場所に集めて虐殺したのです。
 私の父は1994年7月、南京を流れる長江上流の湖北省赤壁市で戦死しました。40年生まれの私は、父の面影を知りません。1昨年、日本遺族会の「訪中慰霊団」に参加したが、父の戦没現場に行くことが出来ませんでした。慰霊祭は、湖北省武漢市の宿泊ホテルの1室で行われ、室外に知られないように気を使い、祭壇に線香を上げることも許されませんでした。線香の臭いがただよい、「慰霊祭」がまわりに知れ渡り、問題になるからです。
 日本を出発する時は「訪中慰霊団」ですが、中国へ入ると「訪中友好団」に名称を替えなければなりません。首相の靖国神社公式参拝を方針とする日本遺族会が、「訪中慰霊団」として中国政府から正式に受け入れられていないからです。父の戦没現場に行き、会えると思っていた私には、残念でなりません。
 小泉首相は、「戦争で亡くなった日本人を慰霊するため靖国神社に参拝して何が悪い」と開き直るが、アジアで殺された2千万人と生き残った人々に身を置き換えて見てほしい。小泉首相は、靖国参拝を止めるべきです。