竹田昭彦日誌（＃０２）３月２３日(日） 〈 核基地を撤去させた女性パワー 〉 ＣＮＤから寄贈された旗（左側）とケート・ハドソン議長さん（旗を持つ左から３人目）＝グリーナムコモン（旧核兵器基地） 　今日は、日本の平和行進団が、米軍の核兵器があったグリーナムコモン基地から、イギリスの核兵器工場があるオルダーマストンまで、２０�qを歩く日です。 　早朝から、小雪や小雨が降る天気でしたが、イギリスで平和行進できるチャンスがおとずれ、胸が騒ぎます。最悪の天気を想定し、雨カッパを背負い、宿を出ました。 　１０時前、かって米軍の巡航核ミサイル基地のあったグリーンナムコモン基地（現公園）へ着きました。その中央広場で、ＣＮＤ（核軍縮運動）から特製の旗の贈呈式がありました。挨拶したケート・ハドソンＣＮＤ議長さんは、「イギリスの核兵器反対運動は、日本の運動から励ましを受けてきました」と話し、日本の原水爆禁止運動に連帯を表明されました。 　雨もやみ、贈呈された旗と日本から持参した旗や横断幕をかかげ、基地内を３�qほど行進しました。犬と散歩をいる人に会うと、にっこりされ、手を振られました。基地は、建物などの施設が撤去され、広大な野原です。その中に、核弾頭付のミサイルを貯蔵していた、サイロだけは「保存」してありました。土盛りされた弾薬庫のよういな、分厚いコンクリートの要塞です。「負の遺産」として、残しているようです。　 核基地撤去運動を報告するレバッカー・ジョンソンさん（左から２人目）＝グリーンパーク 　かって、基地の正門前に陣取っていた、核基地反対女性キャンプテントの跡地（現グリンパーク）で、基地撤去の闘いの報告を受けました。 　女性たちは、核兵器を運搬する車の前に、体を張って座り込んだり、人間の鎖で基地を包囲したりそうです。毎日、監視運動を続けるいると、どの車が核兵器を積んでいるか、見分けがついたそうです。その車が通ると、ピンクの色を付けたお粥を投げつけ、目印にしたそうです。身振りを入れ、熱っぽく語る年配のレバッカー・ジョンソンさんの話に、胸が熱くなりました。 　その核基地撤去運動は、１９８１年からからはじまった基地反対の女性キャンプを先頭にイギリス全土に広がり、１９９３年に撤去されました。この米軍基地は、第２次世界大戦中から置かれ、１９５１年に核弾頭ミサイル貯蔵基地化されたのす。核基地を、イギリス国民の運動で撤去させ、勝利したのです。 　私の住む神奈川には、核兵器を搭載できるアメリカの第７艦隊が、横須賀港を母港にしています。今回、イギリスで米軍核基地を撤去させた報告を聞き、日本でも、国民の手で、必ず米軍基地を撤去できると確信しました。 　今日の行進は、日本の平和行進団のために組まれていました。ＣＮＤのスタッフの皆さんが、細心の注意をはらい、安全に誘導されました、早足で２０�q歩く「強行軍」でしたが、イギリスの平和運動の歴史を肌で感じる素晴らしい機会でした。